本やCD、DVDのネット販売を行う職員の仕事のひとつとして、毎日お客様から届くお問い合わせへの対応というものがあります。
その中で、おそらく同じお客様から不定期的に送られてくる気になるお問い合わせがあり、今回はそれに関するお話です。
その内容とは「このCDが作られたのはどこの国の工場か教えてほしい」というもの。
こちらのお客様からはいつもクラシックのCDをお買い上げ頂くのですが、お問い合わせの内容を見るにドイツ産の盤であるという点にこだわりがあるようです。
日本製のCDと何が違うの?と思われるかもしれませんが、使用しているスタンパー(CDの溝を彫る際に用いる金型のようなものです)の差異や、もっと細かい部分では電源電圧(日本は100V、ドイツは230V)などといった要因の積み重ねで最終的な仕上がりにわずかな違いが生じてくるのはなんとなくご理解頂けるのではないかと思います。
CDの中身はデジタルデータですが、CDそのものはデータではなく物体である以上、品質の差は音にダイレクトに影響します。つまり、「CDは工場によって音が異なる」ということになります。きっと相当熱心なオーディオ愛好家のお客様なのでしょう。
とはいえ、よほどのオーディオマニア(もしくは、アイドルの敬虔なファン)でもない限りは、同じCDを何枚も集めたり、ましてや音を聴き比べたりする機会なんてなかなか無いと思いますので、今ひとつ飲み込みにくい部分もあるのではないでしょうか。しかし、音楽を聴く媒体による音の違いというものはもっと身近なところでも体感することができます。
それは「CD」と「サブスク」における音の違いです。今となってはCDよりもこちらで音楽を聴かれる人の方が多いのではないか、みたいなことを言うのさえ既に若干時代遅れな気がします。
CDに収録されている音源は通常16bit/44.1kHzのwav形式(要するに圧縮されていない高音質なデータという事です)ですが、普段我々が各種サブスクや動画サイトなどで耳にしている音源はストリーミングの効率化やデータ容量の軽減のため、そこからデータ圧縮の処理が加えられています。そのため、原音と比べると少なからず劣化が生じます。
といっても、音の聴こえ方には個人差があり、それに再生環境の違いでも音は大きく異なるため、私個人が聴いた印象だけで一概に「ここがこう違う!」と断定することはできません。そこで、この圧縮・非圧縮音源の違いを視覚的にも確認する方法を用いて簡単な検証をしてみようと思います。一応、まだオカルトだと思っていらっしゃる方のためにも。



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